海上船内物語
「本来は、斬りつけ百回なんだ。」
「は・・・・・・?」
「死神船で、裏切り者が出た場合。ガルフが残していった、罰則の掟にそう書いてある」
「何を?」
「体を斬りつけるんだ。だが、流石にお前にはできん。」
「できん、とか言ってるけど、さっき咬んだじゃん!!」
「百の半分の半分の半分で許してやる、と言ってるんだぞ?それとも斬りつけがいいか?」
「まず、百が何なのかがわかんな・・・・・・・・・・
ぎゃあああああああ!!」
鬱血が、また増えていく。
カイルは懲りずにアキを殴ろうとするが、華麗にアキはそれをよけていく。
そんなこんなが続き、カイルはベッドに突っ伏した。
「・・・・・・・・・」
「はい、終わり」
「終わり、じゃねーよ鬼畜・・・・」
「誰が鬼畜だって?」
カイルは髪をかきあげ、アキを見上げた。
「アキってさ・・・・・」
起き上がって、アキの顔を近くで凝視するカイル。
「・・・・何だ、気持ちの悪い」
「目、蒼いんだ」
「・・・・・はぁ?」
アキは心底いやそうな顔をする。