海上船内物語


「シーザ?なんであいつが出てくるんだ」

「やっぱりアキはシーザの“弟”だね」


アキの肩膝がベッドに乗せられる。

きしりと堅いベッドが鳴いて、唇が重なった。


カイルは目を開いたまま、アキの顔を見る。

アキもカイルと同様、目は開いたままだった。


「・・・・・・・、」


カイルは手でアキの頬を固定する。

自分から舌を侵入させると、アキの舌を誘い出した。

すぐに、アキの顔は歪んだ。


「っ、・・・・・・・ん」


アキはカイルの肩を掴み、すぐに引き離す。

その舌には血が滲んでいた。


「昨日の、お返し」

「・・・・知らない間に狡猾になりやがって」


カイルは唇についた血を舐めながら、微笑んだ。

そろそろと足を床に下ろし、立ち上がろうとする。


「、うわっ!」


立ち上がろうとしたカイルは、いきなり床に膝をついた。

アキが不可解な顔でそれを見下ろしている。


「・・・・何してるんだ」


ぎろりとカイルはアキを睨む。


「・・・・・・・・・立てない」


カイルは床に手をついたまま、その場に座り込んだ。


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