海上船内物語
「・・・・・立てない?」
「アキのせいだからね!責任とってよ」
ベッドからシーツを引きずりながら、カイルはそれに包まった。
「ひいひいはははははは!!!」
「貴様本当に地中海に沈めてやろうか!!」
「すいませ・・・・・・ふふっくくく」
ウルの頭を殴るアキ。
机に腰掛けながら、笑い転げるウルの姿を冷ややかに見下ろしていた。
「だって・・・・!足腰使えないんでしょ?船長どんだけがっつい」
「てめぇ本気で殺すぞ」
アキの足元に土下座をするウル。
その顔をゆっくり上げて、また口を開いた。
「えー・・・ゴホン。失礼いたしました。それで、カイルは?」
「寝てる」
今度はウルは笑わずに、すぐに本題に移った。
「で、皆には知らせるんですか?」
「本人は知らせたいといっている。だが、自分で言いたいそうだ」
「えー・・・・?船員に殺されませんかねぇ?」
「あいつは殺されるタマじゃないだろう」
どっかりと机の上に寝転びながら、アキは欠伸をした。
「ちょ、そこ机ですよ」
「・・・・・うるさい」
寝返りを打って、ウルを見上げる。