海上船内物語
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夢を見ていたの、と彼女は呟いた。
腰まで伸びていた金糸のような髪をばっさりと切って、首元でふわりと揺れる金髪をおさえて。
夢?と彼は素っ気無く聞き返すと、そのまま船から下りた。
手を差し出して、彼女もおりるようにと指示する。
ありがとう、と優しく彼女は笑った。
彼はそのまま彼女を抱き上げると、慎重にゆっくりと地面に下ろす。
「心配しすぎですよ、船長」
二人は振り向いた。
後から続くように、仲間達は笑って降りてきた。
「おらアキ、早く進めや」
伸びた長髪を揺らしながら、豪快に両足で着地する。
その言葉に顔をしかめながらも、彼女を引き連れて歩きだす。
右側に広がる真っ青な海。
奥のほうに小さい漁船がちらりと見えて、また消える。
太陽の光が反射して、きらめいた。