海上船内物語
「あぁ、何だもう終わったのか。」
気付くと、後ろに眠たそうなアキの姿があった。
「どうだ?海賊狩り、“死神船”の実力は」
アキの黒髪が靡く。
潮風と血の匂いが辺りが充満している。
「・・・・・よく、分かんねぇ・・・・・。」
カイルはアキに苦笑してみせた。
「屍にまだ慣れていないのだな。顔が物語っている」
そんなカイルを鼻であしらうようにアキは言い放つ。
そして、そのまま部屋に戻り、再びベッドに沈んでしまった。
「・・・・・・素っ気無ぇなあ、アキは」
「黙っていろ。睡眠の邪魔をしないんじゃないのか?」
言葉が詰まり、カイルはまた寝始めるアキを尻目に部屋を出ることにした。