海上船内物語
□市
□ □ □
「うっひゃーい!!」
「テンション高いなぁカイル」
カイルは、元気よく船から地面に着地した。
続いて死神船の船員達がぞろぞろと船から降りる。
「そんなに嬉しい事か?こんな人混み」
「だってよぉ、ずっと船ん中だったじゃねぇか。そりゃあ気分上がるぜ」
「そうかぁ?」
ウルが船から降り、退屈そうに欠伸をした。
「ま、カイルにとっては初めての市だもんなぁ。せいぜい今のうちに楽しんでおけよ」
「どう言う意味だよ!」
「何十回ここに来て見ろ。その内ぜってー飽きる」
「・・・何十回来たら・・・飽きるかもしれない」
「ほらな」
他の船員が船を杭に縛り付けている内に、死神船船長、アキは登場した。
相も変わらず眠気眼だ。
「アキは一日何時間寝てんだ?」
「船長は夜に起きてるからなぁ。俺らと同じ位なんじゃねぇの?」
無言で通り過ぎていくアキの後ろを着いていき、カイルは飛び跳ねながら歩を進めた。
潮風が港を包む。