海上船内物語
「いかん事を言ってしまったな。ウル、アキにすまないと言ってくれ」
「うるせぇよ」
ウルも不機嫌を顕にした顔でリゲを睨んだ。
船員がアキに続き、ぞろぞろと出口に向かい始める。
カイルも同じ様に一行に続いたが、訳が分からないと言う顔をしていた。
「なぁウル、“ガルフ”って誰だ?」
一瞬困ったような顔をしたウルは、また直ぐに表情を作り直す。
「“死神船”の初代船長だ。お前にはまた今度話す」
「・・・・・・・・・」
カイルは先頭を歩くアキの姿をじっと見た。
(初代船長、・・・・・・・)
外の日光が射し、カイルは目を細めながら歩いた。