海上船内物語
□ □ □
「・・・・・・・・・・・ふう」
太陽はとっくに堕ち、死神船船員、ウルは剣を鞘に収めた。
「お疲れ」
すると頭上から声がする。
ウルは顔を上げた。
「・・・・・・・・・船長」
「あぁ。」
「あぁ、って・・・。」
甲板から真上を見上げると、突き出たバルコニーがある。そこの木椅子に足を組み、踏ん反り返って座っているのは、船長、アキ。
「本当、たまには海賊狩りに参加したらどうですか?腕が鈍りますよ」
「確かに、間違ってはいない。だがウル一人で片付けられる雑魚を相手にしたくない」
「・・・全く・・・・・」
ウルは、ごろりと転がっていた、既に息が耐えている海賊を蹴り上げる。
その海賊達は皆、腰のベルトに真っ赤な布を巻いていた。
「・・・やはり、海賊連盟の奴らか」
「そうですね・・・“ベイズラリア”って書いてあります」
ウルがその布を手に取り、高台で見下ろしている船長に見せ付けた。