海上船内物語
「・・・・・・フン、どちらにせよ厄介だな。数が桁違いだ。ソレだけで何人だ?」
アキが転がっている屍を顎で指す。
「ざっと二、三十人でしょうね。これでも下っ端でしょうから・・・・」
「まだまだ上は居るだろう。海賊の奴ら、本気で威厳を捨て俺らを潰そうとしているな」
「・・・・・それはそうと、この骸の処理は手伝ってくれるんですか?」
布を海賊の元に落とし、上を見上げるウル。
が、そこにはもう船長の姿は無かった。
「・・・・・・・逃げ足も速いお方だ」
力任せに屍の腕を引っ張り、海に放り込む。
その夜は一晩中海の飛沫の音が続いたらしい。