海上船内物語
「どう言う事だ」
扉を閉めるアキ。
“船長室”と英字で書かれたプレートが揺れた。
「・・・・・・何が?」
「お前、あの“アル”とか言う海賊と関わりを持っているのか」
アキがベッドに腰を落ち着ける。
剣がかちゃりと鳴った。
「答えろ」
ぎろり、と鋭い眼光がカイルに向けられる。
「・・・何も無い。俺が港に居た時、海賊共の領海で少し騒がしくしちまったんだ。だから多分、それで顔を割られたんだと思う」
「騒がしくした?」
「俺、漁師の息子だろ?そこの海で、魚とってたんだ。海賊の領海って知らないで。」
アキがカイルを睨む。
「・・・・・・・・・・・・・・・貴様、謀ってるな」
「は?」
低いアキの声が部屋に響く。
「もう一度聞く。貴様は漁師の息子だと?」
「あぁ、そうだよ」
アキが立ち上がった。
長身がカイルを見下ろす。