海上船内物語










□ □ □



キィン。


鋭い刀がぶつかりあう音を聞き、死神船船員のウルは高揚するのを実感した。



「ハッ・・・・・!!海賊狩りごときが・・・・・!!」



真前方から細い刀が襲ってくるのを確認し、瞬時に避け、それを上回る速さで横身に斬り付ける。


鮮血が飛び交う。



「海賊ごときが」


ごとりと虚しい音を立て、呆気無く倒れてしまった海賊を足蹴にする。




「ウル、お前腕を上げたな」

「・・・・・・船長、見てたんですか」

「あぁ、今日は一段と空が明るかったからな」



そう言われ、ウルは空を見上げる。

確かに、空が暗く星がいつもより光っている。



「高見の見物決め込んでないで、応援してくれれば良いんですけどね」

「お前なら一人でも遣れると思ってたよ」

「・・・・・・・そうですか・・・・」



ぱしゃ、と足を浮かせると溜まった血溜まりが跳ねる。





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