海上船内物語
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キィン。
鋭い刀がぶつかりあう音を聞き、死神船船員のウルは高揚するのを実感した。
「ハッ・・・・・!!海賊狩りごときが・・・・・!!」
真前方から細い刀が襲ってくるのを確認し、瞬時に避け、それを上回る速さで横身に斬り付ける。
鮮血が飛び交う。
「海賊ごときが」
ごとりと虚しい音を立て、呆気無く倒れてしまった海賊を足蹴にする。
「ウル、お前腕を上げたな」
「・・・・・・船長、見てたんですか」
「あぁ、今日は一段と空が明るかったからな」
そう言われ、ウルは空を見上げる。
確かに、空が暗く星がいつもより光っている。
「高見の見物決め込んでないで、応援してくれれば良いんですけどね」
「お前なら一人でも遣れると思ってたよ」
「・・・・・・・そうですか・・・・」
ぱしゃ、と足を浮かせると溜まった血溜まりが跳ねる。