海上船内物語
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ぽたり、汗が落ちた。
「っ・・・・・・・・・・・・・・・・」
焦げた金髪が顔に張り付く。
彼の中に渦巻くのは、闇。
(・・・どうすれば、いいんだ・・・・・・)
額を壁に付ける。
壁の冷たさが体温を奪う。
(アキ、ウル、クルト、ジャン、・・・・・・・みんな、ごめん)
ぎり、と歯を食いしばり、カイルは目を閉じた。
静寂な部屋に聞こえるのは、隣で豪快に寝ている船長の寝息だけ。
息を殺して、カイルは床に落ちている鍵に向かって足を伸ばす。
(・・・・・・拾った所で開けれる訳が無いか)
と、試んだ所で諦めてしまう。
がくり、と項垂れてから、壁に身を任せ、寝始めた。
(ごめん、皆・・・・・・・・・・・・・・・・)