海上船内物語
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赤、赤、赤、赤、赤。
黒を取り巻く、朱色の大軍隊。
「っく・・・・・・・・・・・」
ウルの足元に、真っ赤な屍が転がる。
それにも引かず、朱色の軍隊はどんどん数を増すばかり。
「船長はっ・・・・・・・・!?」
「裏で大物狩ってる!取り合えず俺らは今の敵に集中するぞ!」
甲板から大量の血が垂れ流れる。
「こんな雑魚しか居ないのか!海賊共!」
雄叫びが、船内に響いた。
「貴様ら!裏は片付けた!」
どん、と船長室のバルコニーから真っ黒なコートを羽織った、船長が降ってくる。
「船長!」
「これ位余裕だろ?ウル。弱音なんて吐くんじゃないぞ」
「はい!」
アキの手には2本の剣が握られていた。