海上船内物語
「全部で何人だ?」
「多分、ざっと数えて20、30位かと・・・・・」
「最近、不届き者が増えたな」
「そのようですね」
ウルは、船長室で一人決め込んでいる船長を見上げた。
口元に薄ら笑みを浮かべている。
「にしても、他の船員は起きないのか。だらしないな」
「まぁ、昨日は市に行き、疲れたと言うのもあるんでしょう。まだ夜中の2時ですし」
「夜襲とは不愉快極まり無いな」
「ご尤もです。」
「それじゃあ、そいつらの後片付け頼んだ。」
「・・・・・・・・・船長?」
バタン、と何かの扉が閉まった音がした。
すぐに、船室のバルコニー扉だと言う事がウルに分かった。
「・・・・・・・・船長め・・・・・・・・・・」
そして、目の前に広がる屍たちを見下ろす。
皆、海賊の格好をしている。
「30もの屍を一人で片せとは・・・・・・」
溜め息混じりにそう呟くも、渋々ウルは屍を片っ端から海に放り込んだ。