海上船内物語



「っ何すんだ!!うわっ!」

「何かあったらこの武器は危険だろ?」


カイルの脚を抱え、ひょいと持ち上げ、シーザは足元に纏わり付いていたズボンを床に落とす。

床に下ろされたカイルは、すかさずその脚を後ろへ振り上げた。



「・・・・危ねぇな・・・、あんまり暴れてっとその腹に鉛玉ぶち込むぜ?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・何する気だ!!」


するり、とシーザは指を脚に這わせる。
白い肌が桑立った。



「・・・・・誰にも触られてねぇ・・・綺麗な脚してるぜ」

「触るな!気色悪い!」


暴れるカイルを押さえ込む。
カイルの右頬が壁に引っ付いた。



「・・・・・・・このコートはアキのか」


「・・・アキ?あぁ、そうだけど・・・、知ってんのか?」


「・・・・奴とは切っても切り切れない縁があるんだ」



シーザの声色が低くなる。
カイルが不可解そうに眉を寄せた。



「・・・・・・・・アキ、の女か・・・」

「は?」


壁に押さえつけられているカイルが、苦しそうに身を捻る。



「っ、あ?!な、に・・・・・・す・・・、!」


シーザの手がカイルの腿に触れる。

がしゃん、と枷が一際大きく鳴った。





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