海上船内物語
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「皆、会議だ!甲板に集まれ!!」
朝一番、ようやく日が昇り始めた朝に、船員の一人はそう叫んだ。
それを合図に、死神船は動き始めた。
10分もしない内に、船内全員が甲板に集まる。
「船長、今日は早いんですね」
「あぁ。目が冴えた」
船の壁に凭れ、水平線の遥か向こう側を見ているアキ。
「ウル、全員か?」
「はい。そのようです」
アキは集まった船員達を順番に見遣り、息を吐いた。
「昨日、夜襲があった。大海賊連盟“ボイゼラリア”の一味とされる」
「船長、“ベイズラリア”です」
「あぁ、それそれ。で、最近そいつらが俺ら海賊狩りの部類の船を落とそうと目論んでいるらしい。」
半ば投げやりに呟かれた船長の言葉は、一瞬にしてその場を凍らさせた。
「“ベイズラリア”のトップはあのアラン・ベレナイシーだそうだ」
更に重たく船長は呟いた。