海上船内物語
□狂
■ ■ ■
『父ちゃん、遊んでー』
『お、カイル。何だお前、また勝手に剣持ち出したのかぁ?』
『だって、詰まんないもん』
『そう言う所だけは俺にそっくりだよなー!ガハハハ!!』
カイルを見る周りの目は冷たかった。
『見ろよ・・・、アランさんの娘・・・』
『あぁ、気性の荒い所だけは父親譲りだよな・・・』
恐がって突き放す奴、
『カイル、お前はでかくなったらこの海を制す人間になるぞ!将来が楽しみだ!』
将来を楽しみにして、煽てる奴。
『ほら、カイル。血ぃ洗って来い』
『えー』
『お前また服駄目にしたな?だから剣は使うなって言ったろ』
『だって・・・・・・』
ぽたり。
カイルの指先から鮮血が滴る。