~ The last kiss ~
一人ブツブツ文句を(勿論アスランに聞かれないように)言ってると
段々と近づいて来る馬車の音が聞こえた
「…?」
「……………。」
ぼーっとしている間に黒い馬車は私達の前に来ていてそのドアが誰もいないのに開いていた
―勝手に開いたらビックリするじゃん
…とまた文句が出てくるがアスランが乗れという目線を私に送っていたのでその奇妙な馬車に乗り込んだ
「「…………………」」
馬車の中はさっきから沈黙している
何となく気まずいので馬車の窓から流れる外の景色を眺めるが
…何もない
あるとしても枯れきった木が疎らにあるだけ
動物も花も無い