~ The last kiss ~
悶々と考えていれば城についたのか馬車が止まった
そしてまた勝手に扉が開きアスランはさっさと降りてしまう
「…降りろ」
私は転けないよう慎重に馬車から降り
先を歩いていってしまう アスランを追いかける
…城のなかも薄暗く幽霊屋敷以上に恐い
私は置いていかれないように駆け足でアスランの後ろにつづく
―それにしても凄いな…
天井は見ていると首がつってしまいそうな程高く 廊下に敷かれている絨毯は何も知らない私でさえ 上等なものだとわかる
それに広さもあり全てが豪華と言えるようだ
天井にはシャンデリアもあるがどれも使われていない
今、歩いている廊下を灯しているのは横にある灯りと窓から入る月の光だけ…
そのせいか薄暗く不気味なのだ
それに寒気もする…
―私は十分に辺りを見渡し前を向くとアスランと距離が離れてしまっている事に気付いた