~ The last kiss ~
なんせ彼は私より背が高く足も長い為にアスランにとって歩く速度が普通でも私にとっては速いのである
なんとか追いかけ着いていけていたが…
「はぁ…はぁ…」
私はここまで来る間に相当疲労しているのか直ぐに息が切れてしまっていた
「ちょっと…待ってッ」
小さな声はアスランに届く事はなくすたすた歩いていってしまう
―もう無理ッ!!!
限界がきていた足が縺れ私は無駄に広く薄気味悪い廊下に座り込んでしまった
けれどアスランは私に気づかず先を歩く
「やだッ…置いていかないでよ………
待って…よッ!」
立ち上がろうにも足が痙攣して無理だった
アスランの背中が遠ざかって不安が募っていく私は目がジンと熱くなり大粒の涙が頬を流れる
「…アスッ…ラン…」
もうヤダ…
私はこの世界でアスランだけが頼りでその彼に置いていかれればどうすれば良いかなんて分からないのに…―
アスラン…
俯き何度もアスランの名を呼びながら泣いていると…