~ The last kiss ~
――――――…
「…我が主、あなたは何をお考えですか?」
闇が覆う部屋に響き渡る女の声…
「…………。」
しかし主と言われる者は問いにこたえない。
「あの人間はここにいるべき者ではありません
あなたが一番…」
「それはお前の私情ではないのか?」
女の声を遮り主はそう問い返す。すると女は黙り込んでしまった
「用はそれだけか?なら戻れ」
「…御意」
女は姿を消し、主は広い部屋に一人になった。
それはもうずっと一人だった主は寂しいという感情はない。孤独が当たり前なのだ
―永遠の命…そんなものは存在しない。だが時が止まってしまった彼等が老い朽ちることはない。
それは果たして永遠に続く事なのだろうか…
あの日から止まっている時間が再び動く事はあるのだろうか…―?
何度と繰り返している言葉をまた月になげかける
それを薄ら笑うかの様に今宵も満月は輝き主を照らした
救いでも希望でもない
―― 絶望 ――
―……という光を