~ The last kiss ~
―――…
『そうか…
報告、御苦労であったな』
漆黒のバラに囲まれた一室に美しい女とその使いである者がいた
『いえ…』
『それにしても憎いのう … 私の愛しい王子をとろうとは』
そう言った女は嫌悪で美しい顔が歪んでいた
『そうですね』
使いである者は抑揚なく言う…
それが気に入らないのか 女は不機嫌に
『あの小娘を殺せ』
冷たく言い放った…
『ッ!それは…』
『いいか…これはお願いではない。命令なのだ。
私に逆らうか?』
女は見下しながら問いかける
勿論、逆らうはずのない者は…
『…御意』
一言呟き姿を消す
『邪魔な者はいなくなるのが世の常なのじゃ』
不気味に笑い手元にある 水晶に映る娘を見てさらに声高らかに笑うと水晶にひびが入りやがて真っ二つに割れた
しかし女は笑う事をやめなかった
これからおこる事を予想し楽しげに笑い続けた