~ The last kiss ~
『そうですか…』
「うん…」
『…この城にいる者は生きているようで死んでいるのです。あの日から』
エドマンドさんは私から視線を外しながら喋っていた
「死んでいる?」
―確かアスランも幽霊屋敷でそんな事を…
“ 城の者も皆生きながら死んでいた "
『ええ。元は城の者も今より沢山いました…けれど耐えきれなくなり自ら死を選んだ。断食という事で…』
「耐えきれない…って何を?」
何がこの城の人達を苦しませているんだ…?
『…希望の見えない絶望の光に』
―絶望の光…
「………。」
エドマンドさんは窓の前に行きそこから満月を見上げた
『ここは闇の世界。
夜があける事は叶わない
―…時が止まったままの世界なのだよ』