~ The last kiss ~
――――――…
「こっちだよね」
私は辺りを見ながら慎重に廊下を歩く
――私にできる事…
それはほんとにちっぽけな事だけかもしれない
けれどできる事があるなら何でもしたい
“生きてるようで死んでいる"
そんな悲しい事を思ってほしくない
せめて感情を自然とだせるようになってほしい
ここに来て城の人達と関わりは浅いけどほとんど無表情で生気が感じられない
ついさっき出会ったクレアもそうだった
見てみぬふりはできない
誰かが傷付いているなら … 苦しんでいるなら…
なんとか力になってあげたいんだ
たとえ自分のことをよく思っていなくても
嫌われていても…
「―…よしッ!」
私は気合いを入れ、まず
アイビー君やルーシィさん、クレアなど城の人達を探すことにした
この間はパニクって失敗しちゃったから今度こそ は冷静に…―
自分に言い聞かせながら一歩、一歩進んでいく
まだ恐怖心はあるものの……