~ The last kiss ~



「…でも」


本当に申し訳ないと思っているらしく彼女の眉は垂れきっていた



「そう、そう…

今日もサッカーボールが 私の顔面向かって飛んできたんだよねぇ」




当たらなかったけどね

そう言うと何とかさんは 笑っていた



…良かった




「そうだ!名前教えてよ? 私は…」


ずっと何とかさん呼ばわりは失礼と感じ何気なしに聞くと


「平雪美香さんでしょ?」


思わぬ返答がかえってきた。


「え?…う、うん」



何で知ってるんだろう…


疑問に思っている事が伝わったのか何とかさんは こう言った


「平雪さん、1年の中で 一番の美女だって…この学校で貴女を知らない人はいないと思うよ」


「――…まさか!
私より可愛い子は一杯いるよ?」



何とかさんの話は初耳だ…

まさか自分がそんな風に思われているなんて





< 29 / 204 >

この作品をシェア

pagetop