~ The last kiss ~
約束の時間に遅れている訳ではないが何となく早く行きたかったのだ。
「ちゃんと手土産のケーキは持ったし、地元でも オシャレはしてるし!
楽しみだなぁ…」
私的に地元なのにオシャレするのは面倒だけどこの日は特別だからね!
そうしてルンルン気分で歩いていたが、
「…………。」
私はピタリと足を止め視界の横に入った建物…
人があまり近寄らない理由になっていた建物が見え横を向きゆっくりと見上げてみた。
「―…幽霊屋敷」
木々に若干埋もれながら佇む古屋敷。
自分の目で幽霊を見た事は無いがその古屋敷から 放たれる雰囲気がどうも恐ろしいのだ…。
「あそこをお化け屋敷にしたら絶対儲かるよ…」
なんてふざけながら足早に幽霊屋敷の横を通り過ぎる。