~ The last kiss ~
そして、大通りに出て人の話し声や車の行き交う音が聞こえ一安心する
意識しなくてもいつの間にか息を止めて歩いていたのである
「はぁ~…」
目一杯息を吐き出し前を向いた その真っ直ぐ先に人が立っていた
「…?」
けれど2、3度瞬きをすると姿が見えなくなっていて…
「あれっ?
気のせいかな…」
姿をとらえたのはほんの 数秒…
どんな人だったか認識する事は無理だった
「…まっ、いいか
え~と早紀ちゃん家はここを右に曲がって…」
昨日、教えてもらった道を声に出しながら間違えないように進んで行く
自分を見ている背後の人物に気づかずに…
『…見つけた』