~ The last kiss ~
人通りの少ない道を進みながら考える…
《何故、あの場所なのか》
《何故、私を気にかけるのか》
《何故、度胸試しのような馬鹿げた事を私に頼んだのか》
《何故、私は一度も拒否をしないでいてしまったのか…》
本当は黒川さんだからなんて問題じゃない
確かに私はお母さんに似て面食いだが
本当に嫌なことはちゃんと口にして言えるような性格のはずだ
しかし、あの車の中で
お願いされた時心のなかじゃ嫌がってたのに
まるで自分の口ではないように、はいと答えていた
何かに操られる人形のように…
私はふと立ち止まり目の前の建物を見上げた
夕日で真っ赤に染まる
『幽霊屋敷』を…