~ The last kiss ~
―――――――――…
「美香ちゃんは…
古屋敷の存在を知ってる?」
静かな車内で黒川さんの艶やかな声が響く
「……もしかして幽霊屋敷の事ですか?」
私はまだ抱きしめられている事にドキドキしているがなんとか返事を返す
「そう、それ…
明日そこで会えない?」
「へっ…?」
初め何を言われているのかわからなかくて聞き返していた
「その‘幽霊屋敷'で
会おう…
大丈夫、中に入れば
自然と僕がどこにいるか 分かるから」
―嫌だ…
私は以前から感じている幽霊屋敷に対する恐怖心でそう思い
黒川さんの顔を見ながら 断ろうと少し距離をあけ口を開こうとした