*あいのうた*
『俺、米と味噌汁とスノボがあれば生きてける♪

で、
あとお前♪』


ふぇ????

!!

そして、ヤツはドキリというセリフを言った…

意図も簡単に…



ん?!!


米、味噌汁、スノボ…

お前=あたしっ!!!!




『はっはいっっ?!!』

口がぽかーんと開いてしまった…!!!!


あわあわあわあわあわっ!!!!



『最後の最後に「お前」って言うのがいくない?』



本当に本当にっこのチャラ王子っ…!!
憎たらしい…っ!!


『何それっ?!!』

『カッコイイ台詞♪』


あたしは簡単に藤堂のペースに飲み込まれてしまう…

もう返す言葉なんて無い。

それで悔しいことに自分の顔は絶対赤いはずなんだ…っ///


『テレてるー??』


彼はあたしを指差してケラケラ楽しそうに笑っている。


嗚呼!!
藤堂響の手の内…っ


こうやって、瞳の前で藤堂響の笑顔を受けて、平気で居られる女の子はいるのだろうか…?

居ないっ絶対居ないっ!!

あたしは普通の女子高生であって、至って物事に感じる感覚もみんなと一緒であって…


どうして藤堂があたしの所に来て、まんまとお昼を共にしているのか…あたし自身が全く理解できない。

でもこの校舎の隅っこのベランダで、二人で居るのは事実なわけで…


ドキドキ打つ胸の鼓動は本当で、なんだかもう本当っどうしようっ!!


『この時季は新米じゃん?好きなんだよねー♪ピカピカの米♪』


嗚呼っ!!

ピカピカしてるのはあなたの背景ですと言いたい!!


話題にする題材が「米」ですか?!!



お弁当を奪って帰るつもりが、いつの間にか蓋が開けられてる。


『ねぇ?弁当親が作るの?』

『う、うんッ』


バクバクしているあたしの胸の内…

いちいち返すセリフがどもる…


『俺はねーちゃん』

『お、お姉さん居るの?』

『上に4人強烈なのがっ』

と困った顔。


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