*あいのうた*
――――――


そうして…




何だかんだ毎日朝と夜には必ず藤堂響からメールや着信がある結果になっていた。


内容は今日は毎日スノボ三昧で楽しいよっとか

雪焼けしちゃったとか

ご飯が飽きたとかそんなのばかりの世間話だった。


時々、コメントに困るエロ発言を交えて…///


―――
―――――


5日目夜―


〈そうだ!!電話したのはさ、ネコ!!アイツどうしてるか見に行ってくんない?〉


いきなり藤堂は言った。


『ネコ?』


〈野良だから別に勝手にヨロシクしてるだろうけど、俺そうやって俺の事気にされないと気になる〉


『ネコに気にされたいの?』


〈うん、誰にでも気にされたい。〉


本当に本当に藤堂響だ。


〈俺アイツに恋したかも…〉


わざとらしくちょっと切ない声。


『あはは。ネコに恋したの?』


〈うん。お前嫌?〉


!!


『ィヤって…―ッ』


オイっ!!

何て自信過剰ッ

あたしがネコにヤキモチした?って聞いてるんだっ!!

本当にオメデタイ。

さすが藤堂響ッ!!


『響らしいね』

ちょっと呆れながらも、なんだか面白くって吹き出しそうなのを堪えてそう答えた。


〈笑ってるだろ?〉

『うううん、笑ってないけど、可愛いなってアハ』


本当は心いっぱい笑ってますけど…ッアハハッ


〈そうなんだよ俺、最近「可愛い」ってよく言われる〉


『ブハッ!!可愛いってなにそれっ?!!』


あたしは堪えきれず遂に吹き出したっ


〈でも本当〉


…本当。

もう、なんだか藤堂らしい。

藤堂が何を言っても"有り"なんだな、となんか妙に納得してしまった。


〈でも「響」って言ってくれた〉

『あ゙っ』


あーもうッ///
しまった!!


藤堂響の笑い声が頭の中に響き渡る。


〈じゃあネコの事ヨロシク、暇だったら連絡して〉


『う、うん///』



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