*あいのうた*
俗に言うギャル系な女の子達が、あたしと藤堂のやり取りを見ていて声をかけていた。

藤堂は「告白してたぁ〜」とあっけらかんと話ながら歩みは止めなかった。

何事か…状況把握出来ずにトイレの入り口で立ち竦むあたし…


なんだありゃ…??


視界から藤堂が居なくなるととりあえずトイレに行った。

逃げるためであって用をたしたかった訳でもなく、鏡越しに首をかしげてから教室に帰ることにした。


一体何だったのでしょうか?

― ― ― ―


『凛…さっきの、何?』

教室に入った瞬間、キョトンと芽奈の言葉…

そりゃ誰だって思うわな…

『めーたん…あたしだって分かんないよ…そもそも、藤堂響となんて話したこともない』

『だっだよね…』

『な…何かの間違いじゃない?』

『間違いで告白はしないでしょ…?』

『学校1のチャラ男だよ?思考回路なんか理解できるわけな…
『冴草さん!!響に告白されたって本当!?』

あたしと芽奈の会話を遮るように隣のクラスのなんとかチャン(超ギャル)が突然入ってきた。


怖い…


『いや…間違い、かと…?』

『はぁ?なにそれ?響が言ってたのに間違いとかあるわけなくない?ちゃんと答えなよ』


藤堂響の取り巻き…恐ろしい…


『いやぁ…その…あたしも良く分からないと言うか…』


あたふたと答える。

机の前に明らかに納得してないですよ、と仁王立ちのギャルのなんとかチャン…


『関山さん?冴草さんも状況が掴めてないんだよ。僕らも見ていたけど、良く分からなかったからさ、聞くなら詳しく藤堂に聞きなよ』

と横から救いの声がした。


『瀬名君…』


藤堂のチャラチャラキラキラオーラとは違う正当なキラキラ(←どんな)を聳えさせてクラスメイト瀬名くんは言った。


関山さん(という名前だったと判明したギャル)は「わかったわよ!!」と渋々出ていった。


『ありがとう、瀬名くん…』

参ったなと苦笑いで瀬名くんにお礼を言った。


『大丈夫だった?』

『大丈夫もなにも、あたしも状況把握出来てないし…』


< 6 / 34 >

この作品をシェア

pagetop