*あいのうた*
美男子の上目遣いっ恐るべしっ!!

不覚にもドキッとしてしまった。


『てゆうか…なんの冗談?』

あたしはため息と共に言葉を吐き出した。


すると、藤堂はクルリと後ろを向いてから自分の背にある開けっぱなしの我がクラスのドアをピシャリと閉めた。


一瞬ざわめきが遮断される。


それから瞳の前の美形不良はパッと振り返り。


笑いも怒りもヘラリとした表情もなく…


いうなら「真面目」な顔で…




『本気だよ』



と一言言った。


『えっ…?』

『明日また会いに来る』

「じゃっ」と片手を挙げて、そう言うとスタスタ行ってしまった。


ガラガラッ!!


藤堂に閉められたドアが開く。

中からは「何で閉めたの!!」などか聞こえたけど、頭に入らなかった。


ただ嘘か本当か謎な「本気だよ」だけ頭の中をグルグルしていた…


はて…?


この学校はなんかのドッキリでもやるんだったかな?

そんな事を思いながら後は思考が働かず無心で帰宅した。

変な夢でも見てるかな?

ただそう思っていた。

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