君からの手紙
ちらり、とカズキの方を見ると、
彼はキョロキョロと周りを見ていた。


私達のように騒がずに、静かでいるカズキを見ていると、
私もしっかりしていなきゃいけないような気がした。


ヒロの会話にはあまり乗らずに、
カズキに学校の説明をした。


「分かるかもしれんけど、あれが、体育館な。
体育館だけ、分かれとんのよ。使いづらいねんけど、耐えてな。」


カズキが笑う。


「体育館、でかいね。」


「そう?中学のほうが、大きかったで。」


「へぇ。中学、何か強い部活があったの?」


「んー...特にないと思うけど。
あ、カズキ、部活とかやるん?」


「やらないよ。
部活は中学で終わり。
俺はいい大学入っていい就職先見つけなきゃならないからさ。」
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