君からの手紙
それでも、ヒロにこっちに来て、と言われたら断れない。


幼馴染みだし、
兄妹のようなものだし、
こんなことで仲を壊したくはないから。


しばらく話していると、
話題がカズキのことになった。


その日、カズキもこの男子の輪の中にいた。


もう何人かと打ち解けている様だった。


「カズキ、東京から来たんやろ?」


「うん。」


「こんな田舎、もう嫌か?」


「いや?俺はこの街、好きだよ。良い人ばっかりだ。」


笑顔でそう言うカズキは、本当にそう思ってるんやろなぁ、と思った。


自分の住む街を褒められて、少しだけ嬉しい。
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