君からの手紙
自転車と商店街
カズキがこの街に来て、1ヶ月ほど経過した。


カズキはこの街が好きだ、と何度も言った。


私もこの街のこと、好きだった。


都会って感じのする街じゃないけど、
そこまで便利なお店とかないけど、
東京とか大阪とか、栄えてる街に住みたいとも思うけど。


それでも、私はこの街のこと、好き。


「ええ街やって、うちも思う。」


「うん。
八百屋のおばちゃんは、いつもリンゴくれるしさ。」


カズキがこの街のことを気に入ったように、
この街もカズキの事を気に入った。


小さな街の人のほとんどが、彼を受け入れた。
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