君からの手紙
だから近づいて邪魔したりはしない。


大袈裟に言えば、
図書室にお互いがいる時が、
私とカズキの距離が一番遠い気がする。


「ほんなら、図書室、行こか。」


「うん。」


寒い廊下を歩いて1階の奥にある図書室のドアを開ける。


そこは暖かくて、
とても静かで、
学校の一部とは思えない。


「あ、カズキくんや。」


ミカが棚の前に立つカズキを指さして言った。


そして彼の方に向かって歩いて行ってしまう。


「あ、ミカ...」


私も慌てて後を追う。
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