君からの手紙
「お宅の小川さん、すごいですよ。」


「うん?
けど、ミカでも読めるんと違う?」


「無理無理。こんなん現国と古典くらいの差があるわ。」


ミカが大好きな現国と大嫌いな古典のことを持ち出すので、
少し笑ってしまった。


きっとふつうに英語が出来るだけではこの本は読めない、と言いたかったのだろうと悟った。


カズキは借りて来るわ、とカウンターの方へ歩いて行った。


「ほんまにすごいなぁ。」


「うん。」


どれくらいすごいのかよく分からないけど、
とりあえず頷いておいた。


カズキが帰って来て、私たちは昼休みが終わるまで、色々なことを話した。
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