君からの手紙
次に聞こえてきた声は、ヒロの物だった。


“今どこ?”


“んーと、もうすぐ家。”


“そいたらそのまま俺んち来いや。”


“分かった。”


“ほなまたなー。”


電話が切れる。


私はマンションの階段をあがって、
ヒロの家の前でためらいなくインターフォンを押す。


「はーい。」


中からヒロのお母さんが出てくる。


「あれ。ユカちゃん。
ヒロー!ユカちゃん来たよ!」
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