ラブハンター☆
3
「可愛いよ桜♪」
「んじゃどっか連れてって☆」
「あ、俺この後バイト」
「え~……」


本当はあのバイト気に食わない。アイツがいるから。はち切れそうな位大きい胸、濃い香水の匂い、大人の色香で元気にモーションかけてくる女性。


「そういえばさぁ…あの日の夜何で遅かったの?」
「えっ!今更?」
「やっぱ一緒にいたんでしょ?あの人と」
「………うん」


頭をかきながら困った顔。完璧動揺している。


-は~……元兄ィバレバレじゃん……-



「やっぱり…元兄ィが約束守らないなんて、なんかやましい事あるわけ?あ、前にあの人とは何もないって言ってたもんね。今は桜が彼女なんだし……」



-……ってなんで頭かくの!?元兄ィなんで動揺してんのよ~!-


こういう時、長年の付き合いが恨めしくなる。普通なら気付かない事でも仕草一つで何か隠してると感付いてしまうから。



「…………何かあったんだね…………」
「えっあの、いや……」
「隠したって無駄だもん!」



がばっと立ち上がったのにビックリして、ベッドに寝そべっていたヤクとヒメが飛び跳ねる。






クルッと元気に背中を向ける。慌てて構ってくるけど、顔を覗き込もうとする度に座る角度を変えて絶対目を合わせてあげない。






「桜~?」

「知らないっ。ちゃんと理由話してくれないならもういいもん!」「~っ………」





そこまで言われても、かたくなに理由を言わない元兄ィにプッチーン!堪忍袋の尾が切れた。





「わかった。元兄ィなんかもう知らな~い。あの女の人のがいいなら行っちゃったらいいよ。私、太陽と遊びに行くもん」
「えっ、ちょっ…なんで太陽?おいこら桜……!」






もうなんて言われても振り返らなかった。そのまま元気の部屋を出て太陽の部屋へ。







-ドンドンドン…!-


「太陽~!」




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