余命6ヶ月
この声はおばさんだった。
「ごめんなさい、買い物の帰りで見るつもりはなかったんだけど」

少し焦っている僕がいる。
(どのくらい見られたのだろう。)

「はい大丈夫です、ちなみにどの位からいました?」

気になるから一応聞いて見た。

「う〜ん、勝くんのキスシーン最高だったわよ」

少し衝撃を受けた。顔が一瞬にして赤くなった。

「えっ・・・」

「あらやだ?本当にキスシーンあっちゃったのかなぁ?うぅうん?」

「そんなことあるわけ無いですよ、おば、いやお母さんやだなぁ」

いつも明るいおばさんが今日は春菜と同じ悲し気な目をしていた。

「お母さん、春菜は・・・」

最後までおばさんは聞かなかった、

「やっぱり、あの娘にはお父さんが必要なんですよね私、少し悲しくなって来ちゃった」

春菜とおばさんはやっぱり親子と思った。

「私ねあの娘に少し甘えてたと思うの、あの娘が幼い頃に私が離婚したのは勝くんも知っていると思う、
旦那と離婚したのはあの娘のことで旦那ともめにもめて最後は離婚だぁ、って言われてカッとなって離婚しちゃって、あの娘には本当に申し訳ないことをしたと思っていたの、
でもあの娘は、私が強くなるだからママは気にしないでって、それからあの娘は今までずっと1人であの娘の悩みなんて1度も聞いたこと無いのよってそれは、私が頼りなかったからかな?でもあの娘が高校受験に失敗して落ち込んだ時は正直驚いたの私なにもしてやれなかったし、病室でそんな弱い娘に育てたこと無いって言っちゃったけど私あの娘のこと・・・
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