余命6ヶ月
段々意識が戻って来る。

(誰?誰が呼んでるの、なんでこんなに騒がしいんだろ)

ゆっくり目を開けて行くと
(春菜、母さん、おばさんなんでそんなに必死に、ここは?)

タンカーで運ばれている僕に、必死に名前を呼んでいた。
僕はそのまま診察室に運ばれた。春菜たちは診察室の外で待つようお医者さんに言われた。

「おばさん、私、隣にいたのに何も出来なくて・・・勝ちゃんが勝ちゃんが・・・」

泣き出す彼女に2人の母親がそっと彼女の肩に手を置いて。

「気にすることは無い、誰でもそうなると思う、私だってそうなる」

と彼女の耳元でささやいた。
あの時、周りの人のざわめきに気が付いたあの担任の先生が駆け付け、救急車を呼んでくれた。

「ごめんなさい」

自分の無力感とおばさんの優しい言葉にまた涙が流れた。

彼女が落ち着いた頃診察室からお医者さんが出て来た。
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