余命6ヶ月
「残念ですが・・・息子さんの病室は207号室です。では」

先生の一言は余りにもむご過ぎた。母親は我を忘れずっと声を出して泣いていた。春菜の母親は必死に慰めていた。春菜の母親の目にも涙が流れている。

「お母さん」

診察室から出て来た2人の母親の姿はどん底って感じだった。

「勝ちゃんどうだったの?」

いい返事は返って来ない、それはわかっていた、でも力になれるそう思った。

その問いには僕の母親は答えられそうになかった、

「あのね春菜落ち着いて聞いて欲しいの・・・

春菜の母親は涙をこらえ話しを続けた。

勝くんの病気はね肺ガンなんだって、しかもすでにリンパに転移していてもう・・・手・・・」

最後まで言えずに泣き崩れてしまった。

「そんな・・・勝ちゃんはどうなるの?」

「あと、6ヶ月の命ですって」

ずっと泣いてた僕の母親が口を開いた。

「そんな・・・私は・・・どうすれば・・・」

診察室の前で3人は悲しみにくれていた。
しばらく経ってから、

「いつまでもこうしてはダメだと思う、いつかは別れが来るんだから悲しんでいるばかりじゃ始まらない」

そういうと僕の母親は僕の病室の207号室へ向かった。
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