余命6ヶ月
僕は少し暗闇をさ迷っていたようだった。
暗闇の中で1度だけ春菜やお母さんおばさんを見た気がした。
夢だったのかもしれない、夢なら悪夢だ、だって僕の嫌いなお医者さんがいた。
「うっ、
まぶたが重い・・・」

ゆっくり目を開けると、そこには暗闇の中で見たみんなの姿はなかった。
すぐにここは病院だと思った。

「うっ」

体を起こそうとした、

「無理しないで勝ちゃん」
春菜の言葉に驚いた、
大袈裟だなぁとね。

「無理じゃないよ。よっとほらね」

みんなに心配かけた、必死に笑顔を作ろうとした。

「勝、具合はどう?」

母さんの問いに、

「胸のあたりが苦しい、疲れが溜まったのかな」

僕の笑顔にみんなの顔がくもった。
みんななんか変だ、そう思った。

「顔色はよさそうだね安心したわ」

おばさんの一言でようやくわかった。
段々イライラして来た。

「ねぇ、みんなおかしいよなんか・・・うっ」

胸が苦しい。

「大丈夫?」

母親が優しく背中をさすった。
いざ息子を目の前にすると真実を伝えられなかった。
「ゴホっ・・・うぐっ」
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