余命6ヶ月
とっさに手で口をおおった、その手には血が付いていた。
母親が慌ててナースコールを押した。

「母さん・・・ゴホっ・・・正直に・・・ハァハァ・・・答えてよ、僕は病気なの?」

事実を知るのは怖かった、でも何も知らずにいる方がもっと怖かった。

言えない言えない。苦しむ息子を見た母親は言葉が出なかった。

様子を見ていた春菜は耐えきれず病室から出ていってしまった。その後をおばさんが追っていった。

ナースさんが来た。

「大丈夫ですかぁ?
点滴うちますねぇ」

ようやく落ちつきを取り戻した。
母親は安心した。
しかしその様子を見ていたナースさんが、

「もう大丈夫そうですね、お母さん、何も知らずに苦しむ息子さんがかわいそうです」

そういうとナースさんは出て行った。

「何も知らずに?どういうこと?」

弱々しい声で問い掛けた。ナースさんの言葉に疑問が残っていた。
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