余命6ヶ月
「ねぇ、母さん答えてよ」
息子の姿が辛かった、でも、何も知らずに苦しむ息子を見るのはもう嫌になった。

「あのね勝あなたは肺ガンなの・・・しかもリンパに転移していて・・・もうどうにも出来ないって」

出来ることなら変わってやりたいそう思った。

「僕はいつ死ぬの?」

血を吐いた時点で悪い病気だとは思っていた、でもここまで悪いとは思っていなかった。

「余命、6ヶ月ですって」
いてもたってもいられず母さんは病室を出ていってしまった。

「そんな、そんなぁ〜っ。なんでだよ、なんでだよ」
病室の扉ごしに僕の叫び声を聞いていた。
母さんはその場にうなだれた。
無力酷く落ち込んだ母さんは帰ってしまった。

「やっと、お父さんと住めるそう思っていたのに」

もうなにもかもが嫌になった。

その夜1人淋しい個室で死という恐怖に胸が押し潰されそうになっていた。

「失礼します」

(誰だろう。ナースかな)
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