余命6ヶ月
前から気になっていたことだった。

「う〜ん、頼りがいがあって優しくて私にとってなくてはならない存在かな」

僕は少し恥ずかかった。

「ありがとう、でもなんか照れる」

彼女といる1秒1秒が大切な時間だと思えて来た。

「じゃあ、勝ちゃんにとって私はどんな存在?」

難しい問題だった、少し考えた。

「春菜は可愛くて、強くて、でも泣き虫で、明るくて一緒にいると楽しいし僕にとって大切な存在だね」

幼なじみだったからいつも一緒で、いつの間にか付き合い始めて、一緒にいるのが当たり前のように思っていた自分がいた、今日改めて春菜の大切さを知った。
彼女は耳を赤くしていた。
「ありがとう、何かあったら言ってね」

気がつくとずっと手を握っていた。

「ごめん、ずっと握ってたね」

手を離そうとした、

「駄目、ずっとこうしてたい」

手を離せなかった。

「どうした?」

目を見ればすぐにわかった。

「私ねずっと考えてたの、でもその前に聞いて、母さんに・・・

病室を出て行ってしまった後の話しをした。

それでね、私勝ちゃんと一緒に病気と闘いたいと思ったの私もう逃げない少しでも長く勝ちゃんと一緒にいたいから」

春菜の気持ちを無駄にはしたくなかった、あと6ヶ月でもいい、一生懸命生きたいそう思った。
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