余命6ヶ月

決心

「春菜・・・ありがとう、僕の命が残り1秒でも・・・その時間を春菜と一緒に大切に生きたい」

これが僕の今の素直な気持ちだった。

「頑張ろう・・・ね・・・」

安心したのか彼女は手を握ったまま寝てしまった。

(寒いだろうなぁ〜、手離しても大丈夫かな?)

やっと離してくれた。
余っていた毛布を肩にかけ、しばらく彼女の寝顔を見ていた。

気がつけば朝になっていた彼女はまだ寝ている、

「おはようございます」

ナースさんが入って来た。
「あら、可愛い彼女さんだこと、木野さん体調はどうですか?」

明るいナースだと思った。
「体調はいいですね」

まだ彼女は寝ている。

「今日、お母さんを呼んで今後の治療について話しをします、それと体温計りますね」

まだ彼女は寝ている。

「はい、わかりました」

彼女、生きてる?

「失礼します」

ナースさんが部屋を出て行った。
心配になり彼女の顔をずっと間近で見ていた。いきなり目を開けて起きた、

「勝ちゃん今何時?」

明らかに焦ってる。

「今は7時・・・」

(あれ?もういない!)
< 32 / 70 >

この作品をシェア

pagetop