余命6ヶ月
「誰?」

少しドキドキしている。

「入って来て」

病室の扉がゆっくり開いた。

「父さん」

嬉しくて涙が出て来た。

「ごめんな勝、親の都合で悲しい思いさせちまったな」

もう僕は怒ってはいなかっただから、

「父さん、もう過去のことは気にしないで許してあげるだから、時々でもいいからお見舞いに来てよ」

父さんに会えて本当によかった嬉しかった、その時だけは。

「そのことだけど、勝には悪いと思うこれからも辛いことがあると思う・・・」

その言葉の意味が理解出来なかった。

「ど、どういうこと?」

母さんと父さんが顔を見合ったすると父さんが、

「母さんと父さん海外に住むことにしたんだ仕事でね、勝には辛い思いをした後だけどこれからも頑張れると思う、それに勝にはいい彼女がいるじゃないかさすが俺の息子だ、治療費は心配ない安心しろ」

親の言葉に意味がわからなかった。

「ねぇ、どういうことだよ、なぁ」

ベッドから立ち上がり父さんの胸倉を掴んだ、

「お前も高校生だろ?自分で理解出来るだろ」

もう親とは呼べなかった。
「ふざけんなよ、なぁなぁ」

必死に叫んだ。

「うるせぇ〜よ、治療費払ってやるって言ってんだそれだけでも感謝しろよ」

必死に掴んでいた手を振り払われベッドに吹っ飛ばされた。
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