余命6ヶ月
お弁当を食べていると、トントンと扉を叩く音がした。

(やべっ!ナースかな?)
とっさに弁当を隠そうとした、遅かったしかし、扉を開けたのはあの男の子だった。

「お兄ちゃん少しここにいてもいい?」

男の子は点滴と布団を持って部屋に入って来た。

「いいけど、どうしたの?」

この男の子はいつも帽子を被っていた。

「今日、ママがお見舞いに来られない日だから淋しくて」

あんなに元気な男の子でもやっぱり子供は子供だなぁと思った。

「そうなんだ、お兄ちゃん今、ご飯食べてるから食べながらでもいい?」

話しが出来る人が出来て男の子は喜んでいた。

「お兄ちゃん?お兄ちゃんはなんで入院しているの?」

玉子焼きを1つ食べた。

「お兄ちゃんはね、肺ガンなんだよね」

もう1つ食べた。

「お兄ちゃんガンなんだ、でも髪の毛あるじゃん」

ご飯を1口。

「抗がん剤治療をしないことにしたんだよね、苦しい時もあるけどでも、治療は諦めたけど命を無駄にした訳じゃないよ」

何故か焦ってるなんでだろう。

「僕ね白血病なんだって、今ねドナーを探してるんだって」

というと男の子は帽子を取った。
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